今月、ご紹介する写真は、造船所での主機関の上部ブロック(重量350t)の吊り上げです。
同造船所では、昨年、船を短期間で建造する上でネックになっていたゴライアスクレーンの能力を800tに増強した結果、大型の船体ブロックをドックに運搬する事が可能となり、主機関の一括搭載も実施されました。
しかし、その事により船体ブロックにワイヤーロープを掛ける本数が増え、主機関を搭載する場合には80mmのワイヤーロープを使用しなくてはならなくなり、作業者への負担が増す事に加え、主機関のワイヤーロープの玉掛作業は高所で有り、しかもスペースが狭い為に作業難度が高いものになるので、作業の安全や効率の低下が危惧されました。
そこで、以前から船体ブロック吊上げで使用していたツインパススリングが主機関の搭載作業に使用されました。その結果、ツインパススリングの重量の軽さや柔軟さ、伸びの無さから作業者への負担が減り、作業効率や安全性が高まると共に、ツインパススリングの繋がったシャックルをアイボルトに掛けるのも容易に出来たとの評価を頂きました。